時代劇専門チャンネルで見ました。
中盤、妻の死、母代わりの杉の方の死を経て、元就は何か吹っ切れたように鬼へと変貌するあたりから、ドラマは俄然面白くなる。
ようやくここに来て中村橋ノ助の元就が戦国武将の風格や凄みを感じさせる主役キャラになっていく。
また、代替わりした大内家のバカ当主・義隆とその親子は陣内演じる家臣・陶晴賢の反乱で滅亡、厳島の合戦など、見所も増え、3人の息子たちの成長ぶりと平行して怒涛の展開を迎える。
(陶晴賢は陣内孝則が大河ドラマで演じた役どころの中で一番よかった気がする。)
最後に、尼子家を兵糧攻めにして中国の覇者となったところで病の床に就き、そこで自分が地獄に行くのか天国に行くのかを今までの人生で会ってきた者達に問い、彼らと共に天国に向かう船に乗っていくという臨死体験を経て、生涯を終えるが最終回丸々1話使ってこのようなことをさせる必要はなかったと思う。
歴史もの、取り分け戦国ものでありながら、登場人物の生き様死に様をかなり丁寧に描いていると思う。
最初、ちっぽけな小領主に過ぎず、幼少時より頼るべき人を次々に失いながら常に大国の脅威にさらされ続けて
滅亡の危機と向かい合う元就。己のせいで大切な家臣達を失い、家督争いで弟を殺さねばならなかった彼は、
家族・家臣などの大切な人達を守りささやかな幸せを得たいという宿願の為には、命がけの謀略をするしか無かった。
領土を得る度に、何か、誰かを失っていく皮肉さ。そんな中でも絆を深めていく家族・家臣たち。
人間の心の強さ、弱さ、尊さをテンポ良く、時にコミカルに時に深みあるものとして描いている脚本・演出も良い。
最終回は個人的におふざけが過ぎたな…と興ざめしたものの、秀逸な作品には違いないと思う。